創価学会の墓地にはどんな種類がある?お墓参りのマナーも紹介
創価学会とは、日蓮大聖人の仏法を信仰している仏教団体です。192ヵ国に広がる世界的な宗教団体であり、日本にも多くの信者が熱心に祈りを捧げています。しかし創価学会という名前を聞いたことがあっても、その供養の方法やお墓について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、創価学会のお墓の種類、お墓に関する基礎知識や納骨手続きについて解説します。
創価学会の墓地公園
創価学会には、協会が運営している「墓地公園」と呼ばれる大きな霊園があります。「恒久性・平等性・明るさ」をコンセプトにした墓地公園は、創価学会員の憩いの場としても親しまれています。四季折々の草花が咲く園内は、平和と調和を象徴しており、心安らぐ時間を過ごせるでしょう。墓地公園は、北海道から沖縄まで日本全国に多数あり、どれもすぐに定員に達するほど人気が高い霊園です。墓地公園内には、3種類の納骨施設があります。それぞれの特徴を確認してみましょう。
墓地
墓地公園内の芝生の上に、墓石が並んだ「芝生墓所」があります。墓石のデザインや大きさはすべて同じで、1区画の広さは約4㎡です。仏教の平等観を基としているため、すべての墓石が均等な間隔で並んでいます。一般的な墓石より高さがなく、台石と墓石の2つで構成されています。外柵や塔婆立、灯篭などはなく、非常にシンプルな構造のお墓です。墓石の上半分には「妙法」と、墓石の下半分には「○○家」と家名が彫られています。
長期収蔵型納骨堂
長期収蔵型納骨堂とは、室内にある納骨堂です。ロッカー型になった納骨堂は、1区画を20年間利用できます。納骨堂の利用期間中は、納骨施設前で参拝でき、期間内であれば納骨や遺骨の引き取りも可能です。20年の期間満了後は、墓地公園内に併設されている「永久収蔵納骨堂」に移動され、永代的に供養されます。
永久収蔵納骨堂
永久収蔵納骨堂とは、合葬式の納骨施設です。長期収蔵型納骨堂から引っ越した遺骨は、骨壺ごと納骨スペースに納められます。そのため、別の方の遺骨と混ざらず、安定して保管してもらえるため安心です。しかし納骨後の引き取りや対面参拝はできません。あとから改葬や分骨、手元供養を望んでも、遺骨は返却されないため注意しましょう。
納骨手続きの流れ
創価学会の墓地公園を利用する際の手順や、手続きの詳しい内容を解説します。
事前予約
納骨の1週間前までに、事前予約をする必要があります。墓地公園の事務局に、予約の電話を入れましょう。電話は墓地使用者本人でなくてはいけません。
電話予約の際は、次のような確認事項を問われます。
- 納骨予定日
- 使用者氏名と電話番号
- 墓所番号(使用許可証に記載されている番号)
- 納骨する遺骨の数
- 法要参加人数
問い合わせの内容にスムーズに返答できるよう、納骨に必要な書類を手元に用意しておくと良いでしょう。
- 墓所使用許可証(手帳)
- 火葬許可証、改葬許可証、分骨を証明する書類のいずれか一つ
書類が揃っていないと、納骨を受け付けてもらえないため注意してください。
納骨手続き
予約した納骨日当日は、墓地公園の管理センターで手続きをおこないます。遺骨とともに、以下の書類を持参しましょう。
- 火葬許可証、改葬許可証、分骨を証明する書類のいずれか一つ(原本)
- 墓所使用許可証(手帳)
上記の書類は、管理センターの納骨受付窓口に提出します。その際には「埋蔵申込書」を受け取り、記載しておきましょう。埋改葬取扱手数料も、窓口で支払います。
納骨手続きが終了したら、骨壺・彫刻受付窓口に移動し、遺骨を預けます。
法要
納骨手続き後は、礼拝堂に移動して法要をおこないます。遺骨は礼拝堂の骨壺置台に安置しましょう。
ただし勤行法要をおこなっていない場合があるため、気になる方は事前の確認をおすすめします。
納骨
法要終了後は、遺骨をもって墓所で待機します。管理センターのスタッフが、納骨を手伝ってくれるため、指示に従いましょう。なお墓地での納骨の際、お線香やロウソクなどの火気の使用は厳禁です。芝生に引火すると、大規模な火災となる恐れもあります。日常のお墓参りでも同様、火気厳禁となっています。
永久収蔵納骨堂の場合は、納骨はスタッフにお任せしましょう。納骨堂の内部への立ち入りは不可となっています。
改葬も可能
創価学会の墓地公園は、ほかの墓所からのお引越し、いわゆる改葬を受け入れています。墓所が遠方のためお墓の管理に負担を感じている方や、創価学会が管理している墓地公園に預けて安心したい方におすすめです。
お墓の改葬には自治体の許可が必要です。現在のお墓がある市区町村役場の担当窓口で「改葬許可申請書」をもらっておきましょう。
改葬許可申請書に必要事項を記入したら、墓地公園の管理センターへ持参し、管理者欄に署名・捺印を受けます。書類を受け取った役場に提出すると「改葬許可証」が発行されます。改葬許可証は、現在のお墓の管理者に提示しましょう。遺骨の取り出しが許可されるため、遺骨を受け取ります。
遺骨と改葬許可証が揃ったら、納骨の申込ができます。創価学会の墓地公園に連絡を入れ、納骨の予約を取りましょう。
創価学会におけるお墓参りのマナー
創価学会は、お墓参りのマナーやしきたりについても、独特な考えがあります。あまり知られていない創価学会のお墓参りに関するマナーも、最後に確認しておきましょう。
創価学会のお彼岸の考え方
お彼岸は年に2回あります。春分の日と秋分の日を挟んだ前後の1週間を指します。日本独自の風習が定着したもので、仏教の伝統ではありません。日本では、墓参やご先祖さまの供養をおこなったり、この世に生きる私たちが修行に励んだりする時期として考えられています。
しかし創価学会は、一般的なお彼岸の考え方とは異なる風習があります。創価学会にあるのは「常彼岸」という考えです。常に「南無妙法蓮華経」を唱えることが功徳であり、ご先祖さまの成仏につながると考えられています。そのため創価学会には、一般的な仏教のように、お盆やお彼岸にお墓参りをする習慣がありません。特別な日にお墓参りをしなくても、毎日ご先祖さまの成仏を祈っているからです。
お墓参りの際のお供え物
創価学会では、樒(しきみ)という常緑樹をお供えする習慣があります。創価学会以外にも、宗派を問わず多くの仏教で使われています。祭壇に飾られたり、納棺の際に使われたりする場合もあるようです。また、神棚にお供えする榊(さかき)と混同されることがありますが、これらは異なるものです。
その他のお供え物については、特に制限はありません。故人の好きだった食べものや飲みもの、お花やお線香が適しています。ただし、トゲのあるバラやアヤメなどは、お供えのお花には避けた方が良いでしょう。
まとめ
創価学会は、世界中に広まっている仏教のひとつで、日蓮大聖人を信仰する宗教団体です。お墓のスタイルやお墓参りのしきたりは独特で、多くの仏教とはやや異なる部分が目立つでしょう。創価学会が運営する墓地公園は、日本全国に展開されており、自然豊かで壮大な霊園です。墓石を芝生の上に並べる墓地や長期収蔵型納骨堂、永久収蔵納骨堂のお墓の形式が3つあります。他府県からでも申込できるため、現在のお墓が自宅から遠くて困っている方は、改葬を検討してみてはいかがでしょうか。墓地公園は見学も可能です。会員でなくても見学できるため、ぜひ足を運んでみてください。
墓地や霊園の購入などを検討されている方は、お気軽に石乃家の総合案内や資料請求にてお問合せください。