お墓の維持費が払えないとどうなる?費用の相場や維持費不要のお墓を紹介 | お墓のキホン | 石乃家(いしのや)

お墓の維持費が払えないとどうなる?費用の相場や維持費不要のお墓を紹介

お墓は購入時だけでなく、維持管理のためにもさまざまな費用がかかります。しかし、何にどれくらいの費用がかかるのか見当もつかない方が大半ではないでしょうか。

この記事では、お墓の維持費とその相場を項目別に解説いたします。さらには維持費不要のお墓も紹介するため、ぜひチェックしてください。

お墓の維持にかかる費用の相場と内訳

お墓の維持費として、主に次の4つが挙げられます。

  • 年間管理料の支払い
  • お墓参りに必要な費用
  • 定期的なメンテナンスや修繕
  • 檀家としての寄付やお布施(寺院墓地の場合)

それぞれどういったもので、どれくらいの費用がかかるのか、ひとつずつ解説していきます。

年間管理料の支払い

年間管理料とは、墓地や霊園の管理人に毎年納める費用のことです。

管理料は、霊園全体の維持管理のために使われます。具体的には霊園内の清掃・共有通路の整備・植栽の手入れ・水道料金・備品の修理や取り換え・送迎バスの運営や休憩室の維持などがあります。

霊園側が維持管理するのはあくまでも共用部分のみです。個別の区画内の掃除や管理は対象外で、原則その区画使用者の責任で行われなければなりません。

年間管理料の相場は5,000円〜2万円です。

お墓参りに必要な費用

お墓参りをするだけでもさまざまな費用がかかります。

すぐに思い浮かぶのが仏花です。お墓参りでは墓前にお花をお供えします。

自分が選んだ花を自由に組んでも、墓前用の仏花として組まれて販売されているものでも構いません。

基本的にお墓の仏花は一対でお供えするため、一度のお墓参りで1,000〜2,000円ほど仏花の費用がかかることになります。

この他、お墓参りに必要な費用として、お供え物・線香やローソク・霊園までの交通費なども必要です。

定期的なメンテナンスや修繕

屋外に建てられたお墓は、毎日のように日光や雨風にさらされます。そのため、建立から長い年月が経つことによって生じる経年劣化は避けられません。定期的なメンテナンスや修繕を行うことで、より長く、よりきれいにお墓を保てます。

メンテナンスや修繕には、次のようなものがあります。

お墓参り代行(5,000円~2万円)

石材店や専門業者がお墓参りやお墓掃除を代行してくれるサービスです。お墓が遠方にある方、高齢でお墓参りが困難な方などに利用されています。お墓参りだけのプランや、本格的な清掃を含んだプランなどがあります。

墓石のクリーニング(5万円)

墓石の本格的なクリーニングです。スクレーパー、砥石、研磨機などの専用の機器と薬剤を用いて、墓石の表面を本格的にきれいにします。

防草施工(1㎡あたり1~2万円)

足元から雑草が生えないよう、防草施工をする人も少なくありません。玉砂利の交換、モルタル張り、防草マサ(草が生えにくい真砂土)やストーンレジン(天然石と樹脂をまぜた舗装材)など、さまざまな工法があります。

文字彫刻(5万円)

新たに納骨する場合、その方の戒名や命日などを墓石に刻まなければなりません。文字彫刻の費用相場は5万円です。

文字の色入れ(1万円)

彫刻部分には白や黒などの色を入れますが、長い年月が経つことで塗料が剥離して、見栄えが悪くなります。新たに色を入れ直すことで、文字が際立ち、お墓全体がきれいな印象となります。

お性根抜きとお性根入れ(各1~3万円)

軸石に彫刻する場合、工事前にお性根抜きを、工事後にお性根入れをしてもらわなければなりません。

その他のリフォーム

上記以外にもさまざまなリフォーム工事があります。花立の穴のあけ直し、巻石のズレ直し、墓石の傾き直し、線香立やローソク立の設置などは作業内容によって費用が大きく変わるため、石材店に相談して見積もりをしてもらいましょう。

檀家としての寄付やお布施

もしもお寺の檀家として境内にお墓を持つ場合、檀家としての務めとして年間管理料以外にも経済的な負担をしなければならないことがあります。お寺の護持会費、建物の修繕工事をする際の寄附、毎年行われる法要へのお布施などが挙げられます。

電卓とカップル

お墓の維持費は誰が支払う?

お墓の維持費は、墓守や先祖供養を中心となって行う人が支払います。この人のことを法律的に「祭祀承継者」と呼びます。祭祀承継者は原則一人です。 墓地区画の名義人として登録されるべきとされ、霊園やお寺からの連絡も祭祀承継者に行われます。お墓の維持に関わるもろもろの支払いは祭祀承継者が窓口となっておこないますが、その費用をすべてひとりで背負う必要はありません。維持費を分割して用立てる、あるいは周囲の家族や親戚が間接的に支援するなどの方法があります。

たとえば親が亡くなり、お墓への文字彫刻の費用やお寺へのお布施などで10万円の費用がかかる場合。これらの支払いは祭祀承継者が窓口となっており、費用は兄弟で出し合ったり「御香典」で支払います。むしろ家族や親族全員でお墓を支え、ご先祖様を供養する姿に、ご先祖様も喜ばれるかもしれません。

墓掃除する女の子

年間管理料の未払いが続くと墓じまいされる

墓地の使用者には年間管理料の支払いが義務付けられています。この支払いが滞ると墓地区画の使用権が消失し、墓石が撤去され遺骨が別の場所に移される、いわゆる「墓じまい」をされる恐れがあります。

年間管理料の未払いやお墓の放置は、霊園管理者の頭を悩ます問題です。

霊園側もいきなり墓じまいを強行する訳にはいきません。まずは何度も何度もさまざまな方法で墓地使用者に連絡を取り、それでも家族や関係者と連絡が取れない場合、法律が定める手順にのっとって、墓石の撤去と遺骨の改葬が可能となります。

ここでは霊園管理者側の視点に立って、無縁墓がどのような手順を踏んで墓じまいされるのか、その流れをご紹介いたします。

管理料の支払いがないことを家族に連絡する

管理料の支払いが認められない場合、まずは墓地使用者や家族に連絡します。いつ電話したか、どのような郵送物を送ったかなどを証拠資料として残しておきます。

官報に掲載

官報とは国が発行する公告紙のことです。死亡者の本籍と氏名、墓地使用者や縁故者、さらには該当するお墓に関する権利を持つ者に対し1年以内に申し出るべき旨を掲載します。

立札の設置

墓前に1年間継続して、官報に掲載した内容と同様のことが書かれた立て札を設置します。

市町村に改葬許可申請

1年経っても家族からの申し出や連絡がなければ、市町村に対して改葬許可を申請します。申請が受理されたら、霊園管理者は該当のお墓を墓じまいできます。

これ以上お墓を守る人がいないとわかった段階で、早めに墓じまいをして永代供養にするのが、家族や子孫の果たすべき務めでしょう。

白い電卓

維持費が不要のお墓

最近では、維持費不要のお墓が次々と登場し、人気を集めています。お墓のタイプ別にご紹介いたします。

永代管理料を支払ったお墓

永代管理料を支払ったお墓は、その後の維持費がかかりません。

お墓の管理料の支払方法は「年間管理料」「永代管理料」の2つがあります。

それぞれの違いは下記のとおりです。

年間管理料 毎年決まった金額を霊園に納める
永代管理料 墓地区画を購入する際に数十年分の管理料を一括で前払いする

永代管理料の場合、初期費用としてまとまった費用を支払わなければなりませんが、それ以降は管理料の支払いは不要です。

コンパクト墓石

永代供養付きのコンパクト墓石で、年間管理料が不要のものも多く登場しています。

しばらくの間は個別にお祀りでき、一定期間(13年や33年が多い)をすぎると霊園側で墓石を撤去して、遺骨も永代供養してくれます。

お墓の購入費のなかに、毎年支払うべき管理料、永代供養や墓じまいの費用も含まれているため、購入後の維持費がかかりません。

樹木葬

石ではなく、木を墓標としたお墓が樹木葬です。樹木葬の多くは永代供養付きのものが多く、承継者がいない人、墓守やお参りがいつ途絶えるかわからない方に選ばれています。

管理料も初期費用に含まれていることが多いため、毎年の維持費用がかかりません。

納骨堂

納骨堂は、屋外ではなく屋内に並べられた「納骨壇」に遺骨を安置するスタイルです。

こちらもコンパクト墓石や樹木葬と同様に、管理料が納骨壇の購入費のなかに含まれていることが多いようです。

また屋内施設なので、屋外にあるお墓に比べてお掃除やメンテナンスの費用もかかりません。衛生面や火災予防の観点から、生花や線香などのお供えを制限しているところも多く、これらにかかる費用も節約できます。

散骨

散骨とは、海や山や川に遺骨を撒く葬法です。お墓の所有や管理がないため、初期費用、維持費ともに節約できます。

散骨を実施するには粉骨(遺骨をパウダー状にすること)をしなければなりませんが、こうした費用を含めても、少ない費用で済みます。

永代供養墓

永代供養墓とは、複数の遺骨をまとめて埋葬するためのお墓のことで、「合祀墓」や「集合墓」とも呼ばれます。

承継者のいなくなった方の遺骨の行き先として、多く選ばれているお墓です。

永代供養墓の多くはお寺が運営していますが、檀家になる義務はありません。法要やイベントのお手伝いへの参加も不要です。

遺骨の埋葬だけであれば散骨と同等の費用で行えます。僧侶による個別の供養を希望する場合は別途費用が必要です。

晴れた日の墓

まとめ

ひとことにお墓の維持費といっても、さまざまな種類があります。従来のお墓はご先祖様から脈々と続くつながりを感じるためのものでもあったため、本質的に長く祀られるべきで、どうしてもランニングコストが多くかかっていました。しかし最近のお墓は、ご先祖様関係よりも、家族とのつながりや個人の想いを重視する傾向にあります。親子が別々の土地で暮らすなど、自分らしい生き方を求める時代を反映するかのように、維持費の支払いが不要なお墓が人気なのだと思われます。

お墓の維持費でお困りの方、これからどのようなお墓を購入しようかと迷われている方はぜひ「石乃家」にご相談ください。

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火のついた線香

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