享年(きょうねん)とは?数え方や行年・没年との違いを解説 | お墓のキホン | 石乃家(いしのや)

享年(きょうねん)とは?数え方や行年・没年との違いを解説

人が亡くなったときには「享年」という言葉が用いられます。故人の年齢をあらわすために使われますが、実際に亡くなった年齢と異なる場合があり、混乱した経験のある人もいるのではないでしょうか。この記事では「享年」の数え方や正しい使い方、行年や没年との使い分けなどについて解説します。

享年とは

享年とは「天から享けた年数」を意味する仏教用語です。亡くなった人の「生きた年月」を示す言葉で、古くから用いられています。喪中はがきやお墓の裏面などで、享年が記載されているのを目にしたことがある方もいるでしょう。「享年80」なら、産まれてから亡くなるまで、80年の期間をこの世で過ごしたことを表しています。

なお「生きた年月」を表すため、実際の年齢と享年は異なる場合があります。享年のあとに並ぶ数字が、数え年で記載されているからです。享年の年数と実際に亡くなった年齢に違いがあり、勘違いや混乱が起きやすいのは、このためです。

享年とは

享年の数え方

ここで、享年の正しい数え方を確認しておきましょう。享年は数え年と満年齢、2つの数え方が利用されています。数え年の正しい数え方や満年齢との違い、享年に用いるのはどちらがよいのか、なども解説します。

数え年・満年齢とは

数え年とは、産まれた瞬間を1歳とする年齢の数え方です。そのため、0歳の概念はありません。誕生と同時に1歳からスタートし、お正月の1月1日に年齢が1つ増えます。全員が毎年1月1日に歳を取るため、誕生日を迎えても年齢は増えません。満年齢とは、産まれた日を0歳と定め、誕生日を迎えるごとに1歳、2歳、3歳……と歳を重ねていく数え方です。日常的に使われる年齢の数え方です。

また数え年と満年齢では、最大で2歳の差が出ます。2022年12月31日に産まれた子どもを例にして、それぞれの数え方を確認してみましょう。

【2023年1月1日時点の年齢】

  • 数え年:元旦で1つ年を取るため、2023年1月1日に2歳になる
  • 満年齢:2023年1月1日は誕生日を迎えていないため、0歳のまま

【2023年12月31日時点の年齢】

  • 数え年:元旦で1つ年を取るため、2023年12月31日は2歳のまま
  • 満年齢:2023年12月31日が初めての誕生日、1歳になる

数え年と満年齢の最大の差は、年齢が増えるタイミングです。

最近では数え年・満年齢どちらも使われている

一般的に、享年には数え年を用います。しかし現在では、満年齢で年齢を数える方法が一般化したため、享年も満年齢で表すことが増えてきました。この流れは、1950年に「年齢のとなえ方に関する法律」が施行され、公的な場面では満年齢を使うように促されたことがきっかけです。ただし地域や宗派、寺院の考え方によって異なるので、気になる場合は確認をしましょう。

数え年での享年の計算方法

享年を数え年であらわす際の、計算方法を紹介します。基本的には、以下のルールで数え年を計算しましょう。

  • 誕生日前なら実年齢プラス2歳
  • 誕生日後なら実年齢プラス1歳

1955年2月15日が誕生日の方が、2023年1月30日で亡くなったと仮定して計算してみます。1月30日はまだ誕生日を迎えていないため、実年齢は67歳です。数え年は実年齢に2歳を加えるため、67 + 2=69歳。「享年69」となり、実年齢との差は2歳です。

今度は同じ方が、2023年3月1日に亡くなったと仮定してみましょう。2月15日に誕生日を迎えているため、実年齢は68歳。数え年は68+1=69歳となり「享年69」とあらわされます。

「計算方法がよくわからない」「正しく計算できているか不安」と思われる場合は、インターネットで「享年 計算サイト」で検索してみましょう。表示に従って、お誕生日と亡くなった日を入力すると、享年と数え年を教えてくれます。

享年の数え方

享年を使うシーン

ここからは、享年を使用するシーンや、享年を用いた例文を紹介します。

喪中はがき

喪中はがきは、一般的に身内に不幸があった場合の年賀欠礼の挨拶状です。喪中はがきには、故人が亡くなった日や年齢を記載します。「本年〇月父〇〇が享年〇〇にて永眠いたしました」などの表記が一般的でしょう。享年は数え年で示すのが従来の常識でしたが、近年は満年齢で記載する方も増えています。また、喪中はがきに享年を用いなくても、マナー違反や失礼にはあたりません。大切なのは故人を偲ぶ想いです。

位牌

位牌にも、享年が記載されています。位牌とは、仏壇や寺院の位牌壇に安置される木の札のことです。表面に戒名、裏面に没年月日と享年が彫られています。数え年・満年齢の決まりはありません。基本的には、お寺からいただいた白木の位牌に合わせて記載しましょう。ご先祖さまの位牌の内容に合わせて、表記の方法を決めるのもおすすめです。どうしても決められない場合や、判断に迷う場合などは、菩薩寺の住職や霊園のスタッフに相談してください。

墓石・墓誌

お墓や墓誌には、亡くなった方の俗名や亡くなった年月日、享年などが彫られています。墓石や墓誌も、数え年・満年齢、どちらを用いても間違いではありません。位牌と同様、お寺からいただいた白木位牌に合わせて、表記しましょう。すでにお墓や墓誌に、ご先祖さまの名前がある場合は、そちらを優先してもかまいません。ご先祖さまの表記方法に合わせて、享年を記載しましょう。

享年を使うシーン

享年と行年・没年の違い

享年と似たような言葉に「行年」や「没年」があります。どれも仏教用語のひとつですが、使い分けや使用シーンに悩む方も多いのではないでしょうか。それぞれの語源や使い分け方、例文を紹介します。

行年・没年とは

「行年」とは、娑婆(しゃば)で修行を積んだ年数をあらわす言葉です。(ぎょうねん)もしくは(こうねん)と読みます。娑婆とは、私たちが生きている俗世界のこと。行年は、故人がこの世でどのくらい修行を積んでいたかをあらわします。享年と行年、表記の方法に違いはあるものの、広義ではほぼ同じ意味を持つ言葉です。行年は、満年齢を用いて示す方法が一般的といわれています。

「没年」は(ぼつねん)と読み、故人の亡くなった年をあらわす言葉です。「没」は亡くなったことを意味しています。没年の「年」には、亡くなった「年齢」と「年次」の2つの意味があります。

  • 「没年〇〇歳」のように、故人が亡くなった年齢を示すケース
  • 「没年2023年」のように、亡くなった年を示すケース

没年で亡くなった年齢を示す場合には、満年齢が用いられます。

どのように使い分けるのが正解?

享年と行年は、どちらも故人の亡くなった年齢を示す言葉です。使い分けに関する厳密なルールはありません。ただし仏教の宗派によっては、明確な違いやルールが定められている場合があるため、注意が必要です。

よくあるルールには、以下のようなものがあります。

  • 享年を使い、行年は使わない
  • 数え年であらわす
  • 歳や才を用いずに表記する

地域の慣習や先祖代々のならわし、菩薩寺などの考え方などがありますので、不明点があれば事前に確認しておきましょう。周囲に相談しないまま墓石や墓誌が完成してしまうと、取り返しのつかないトラブルに発展する可能性があるからです。また、先祖代々が眠るお墓に享年・行年を刻む際は、ご先祖様の表記に合わせましょう。急に享年から行年に変わったり、数え年から満年齢に変更すると、違和感が発生します。

行年・没年を使った例文

行年や没年を使った喪中はがきの書き方や例文を紹介します。喪中はがきには、故人の名前のほか、亡くなった年齢や自分との関係性、亡くなった月日などを記載します。

「祖父〇〇が本年〇月に永眠いたしました(行年〇〇歳)」

「〇月に母〇〇(行年〇〇)が永眠いたしました」

「本年〇月に父〇〇が 享年〇〇(満〇〇才)にて永眠いたしました」

「義父〇〇が享年〇〇(没年〇〇歳)にて永眠いたしました」

先述したように、享年・行年・没年の使用ルールや使い分けに厳密な決まりはありません。歳や才をつけたり、満年齢を付け加えたりして、わかりやすく記載する方もいらっしゃいます。

享年と行年・没年の違い

享年に関するよくある質問

最後に、享年に関するよくある質問や疑問にお答えします。ぜひ参考にしてください。

「歳」と「才」の使い分けはありますか?

享年は、数字のみを記載する場合と、歳や才を追加する場合があります。従来では、享年のあとに歳や才を記載すると二重表現になるため、タブーとされていました。しかし最近では、「歳」や「才」をつけるシーンも多くなっている印象です。「歳」は、歳月のように、年や月日を意味しています。「才」は、才能のように、生まれ持った能力の意味があります。以上のことから、厳密にいえば「歳」が正しいといえるでしょう。しかし「歳」は画数が多く、墓石や墓誌の彫刻が欠けやすいデメリットがあります。そのため「才」を用いることが多くなったと考えられます。

もちろん数字のみで享年や行年をあらわし、墓石や位牌に彫ってもかまいません。

享年に「歳」をつけるのは間違いですか?

享年は「生きた年数」をあらわしているため、享年のあとの数字に「歳」をつける必要はないと考えられます。しかし現代では、歳をつけて表記することも増えています。著名人や芸能人が亡くなった際、テレビやラジオで「享年〇〇歳でした」とアナウンスされているのを聞いた経験のある人もいるでしょう。ただし過去のルールにこだわる人が遺族にいる場合や、寺院や霊園の考え方が明確な場合は、ルールやしきたりに合わせましょう。急にルールを替えることに、強烈な違和感を持つ方もいらっしゃいます。 

享年と実際に亡くなった年齢に2年も差があるのはなぜですか?

享年と実年齢に開きがあるのは、数え年の特殊な数え方に原因があります。享年は、数え年であらわす方法が一般的です。数え年では、産まれた瞬間から1歳とカウントします。その後は1月1日を迎えるごとに年齢を重ねるため、満年齢のように誕生日を基準としていません。誕生日を迎える前の数え年は、実年齢よりも2つ多い年齢で算出されます。そのため、実年齢と数え年との差に、最大2年の開きが出るのです。

享年に関するよくある質問

まとめ

享年とは、亡くなった人が「この世に生きた年数」をあらわす言葉です。葬儀の案内や喪中はがきに記載したり、墓石や位牌に刻んだりして使われています。一般的に、享年は数え年であらわしますが、最近では満年齢も用いられています。享年が数え年か満年齢かは、明確に決まっていません。

ただし地域や宗派によってルールが異なるため、不安な場合は詳しい方に相談をしましょう。数え年ではわかりにくいと感じる方や、満年齢で記載したい場合は、没年を組み合わせるのもひとつの手段です。「享年85(没年83歳)」のように、組み合わせて表示すればわかりやすく、これまでのならわしにも反しません。

 

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